隊員&OB・OGインタビュー

ECサイトや動画を作成して、桐生の特産品の魅力を伝えたい。

桐生市 青山郁弥さん 活動2年目(2020年3月~)

Q:桐生市の地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください。

A:以前は東京のスポーツスクールで働いていました。小学生以下のお子さんを中心に指導していたのですが、30代になり、体力的にもこの先ずっと指導員を続けていくのは難しいと思い転職先を探していたとき、ふるさと回帰支援センターで、群馬県の地域おこし協力隊募集相談会があることをたまたま知ったのがきっかけですね。
邑楽町出身なので、初めは隣の千代田町の募集内容を知りたいと思い出かけたのですが、他にもいくつかの市町村の話を聞いた中で、観光振興や情報発信の分野で募集していた桐生市に興味を持ちました。実は、スポーツスクールでのイベント募集などチラシや動画を作る機会があり、情報発信の仕事に携わりたいと思っていたのです。

それまで桐生にはあまりなじみがなかったのですが、担当者の熱心なお話を聞く中で、織物の町として歴史や伝統、文化遺産が数多く残っていることがよくわかり、それを伝えていくのは面白いだろうなと思い応募しました。

Q:実際の活動内容について教えてください。

A:公民連携の観光まちづくりの拠点である「シルクル桐生」の運営に携わっており、1年目は、「銀だこ」で有名な株式会社ホットランドに所属して、飲食店舗で活動しました。

2年目は、シルクル桐生をリニューアルし、桐生のセレクトショップとしてオープンすることとなり、委託先が一般社団法人桐生市観光物産協会にかわり、協会のスタッフとして活動することになりました。
4月から6月の3か月間は飲食店から特産品を販売する店舗にするための改装を行いました。他の2人の隊員と一緒に、店内レイアウトを一から考え、のれんや木製のディスプレイ棚などは市内の事業者さんに作っていただきました。特産品を扱う場所は他にも市内にいくつかあり、扱う商品も観光物産協会の会員さんの商品に限られるのですが、他で販売されている定番商品ではなく、若い方にも手に取っていただけるような品ぞろえや価格帯にこだわり、気軽に入りやすい雰囲気の店舗を目指して差別化を図りました。僕たちおすすめの「協力隊セレクトコーナー」も作ったんですよ。

地元事業者さんの和柄マスクのガチャガチャも入れました。これは、東京ビッグサイトで今春行われた㈱ビジネスガイド社主催の「第9回 LIFE×DESIGN」でディスプレイコンテスト大賞に選ばれたもので、第1号をここに設置させていただきました。

 

Q:活動は3人で役割分担しながら行っているのですか?

A:得意分野を生かして、ある程度役割分担しながら3人で協力して進めています。前職がアパレル関係だった隊員が商品のセレクトや事業者さんとの交渉、建築やデザインを学んでいた隊員が店舗や商品展示のレイアウト、私がECサイトやPR動画の作成を、主に担当していますね。

動画作成は独学ですが、事業者さんの工房を訪れて製作過程を撮影したり、お話を伺ったりして編集し、店舗内の大型モニターで放映しています。訪れたお客様が製作過程を見て、商品のバックグラウンドにも興味を持っていただくことで付加価値を生み出せると思うし、説明するときにも魅力を伝えやすいです。
商品をただ販売するだけではなくて、ここに置けば魅力を発信してくれるから置いてみようと事業者さんに思っていただけるように、いろいろアイデアを考えています。各商品のポップにQRコードを付けて、事業者さんのホームページを見られるようにも工夫しました。
7月にオープンして約1カ月。僕たちが発信したSNSや地元紙の「桐生タイムス」を見てたくさんの方が来てくださり、好評をいただいていたのですが、コロナ感染症の警戒度が上がって8月中は閉館になってしまいました。

営業中止の期間は、ECサイトからのオンライン販売に力を入れたいと思います。また、時間を取りやすいこの機会に、もっと多く事業者さんの取材を進めて、さらに動画作成を充実させたいとも思っています。

Q:桐生市で暮らしてみていかがですか?

A:小規模の事業者さんが多く、話好きの人が多いなという印象です。みなさん自分の仕事にプライドを持っていらっしゃるので、お話がとても興味深いですね。
出身の邑楽町とはそれほど離れていないのに、まちの雰囲気は全然違います。

桐生のまちなかに住んでいるので、生活面での不便はありません。東京で働いていた頃と比べると、車で移動する際に駐車料金がかからないのもいいですね。都内だと大型スーパーでも駐車料金がかかりますから。

Q:残りの期間や任期終了後は、どのように活動していく予定ですか。

A:現在、約40店の事業者さんに商品を置いていただいていますが、新たな事業者さんにもアプローチして、桐生の輪を広げていければいいなと思います。外から来た僕たちだからこそ、広げやすいという面もあると思います。
それと、今後は黒保根地区の隊員はもちろん、県内外の隊員にも協力を呼び掛けて、ここを拠点に何か一緒にできたら面白いかなとも思っています。
任期終了後については、まだ明確には決めていませんが、一番興味があるのが動画制作なので、その技術をもっと身に付けていきたいですね。

動画に関して少しずつですが仕事を頂けている状況です。任期後のキャリア形成に向けて、模索しながら少しずつでも自分のできる幅を広げていきたいと思っているところです。




シルクル桐生

(取材日:2021/8/18)