隊員&OB・OGインタビュー

地域の人が輝くまちづくりをしていきたい。

みどり市 宍倉淳一さん 活動2年目(2023年3月~)

Q:地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください。

A:移住先を探している中で、移住先で地域おこし協力隊をしている人のSNSを見て、協力隊を知りました。調べてみると、協力隊は移住先で何をするかを考える3年間という時間があり、また地域のコミュニティに自分が入って行く時にも市の職員という肩書で入っていけることを、魅力的に感じました。
そもそも、移住に興味を持ったのは、大学生の時に1週間ほどイギリスに行ったことがきっかけです。中世の建物が建ち並ぶまちなかでの暮らしを見て、時間の流れがゆったりしていることに魅了されたことがありました。その時から、地方での暮らしに憧れを持っていましたが、大学を中退後は仕事や子育てに追われ、なかなか良いタイミングに巡り合うことはありませんでした。しかし、前職で営んでいた婦人服店をコロナの影響で辞めたことが契機となり、移住を決めました。最初は、海と山のある暮らしを求めて西日本を探していましたが、豪雨や地震などの災害のリスクを懸念していました。そんな時に、NTTが本社の一部移転を群馬県で行うというテレビの報道を見て、災害が比較的少なく自然に囲まれている群馬県に興味を持ちました。
みどり市を選んだのは、リノベーションまちづくりに力を入れているというのが大きな理由です。移住先では、まちづくりに関わりたいと考えており、自分のやりたいこととマッチしていたので、応募しました。あとは、古い町並みを残しながらも適度な自然があり、アクセスも良いので、移住先としてちょうど良い場所ではないかと感じ、みどり市に決めました。

 

Q:活動内容について教えてください。

A:1つは観光・移住交流ステーションでの移住相談窓口の業務です。みどり市はまだ知名度が低いため、知ってもらうために、観光案内も併せて行い、土日祝日も開いている移住の相談窓口があっても良いのではないかと市に提案し、開設しました。みどり市に興味を持ってくれた人への対応はもちろんですが、出張相談会への参加や移住体験ツアーなど、みどり市を知ってもらうための活動も行っています。1年間で状況がすぐに変わったわけではないですが、相談件数や検討してくれる人の割合は少しずつ増えていることがやりがいに繋がっています。またみどり市は、こちら側の提案や要望を受け入れてくれる体制が整っているので、協力隊としての活動がしやすい環境だと感じます。
もう1つはレンタルスペースの貸し出しを行うチャレンジショップ「ななし」の管理です。初めは、みどり市でお店を開きたい人に向けて、前段階のステップとして店を1か月単位で貸していましたが、店を開きたい人のニーズが少ないことに気が付き、より利用しやすい店内のレンタルボックスやテーブルなど、スペースの貸し出しへ営業形態を変えました。魅力のないまちに人は来てくれませんが、いきいきとした魅力的な人がいると、その人に惹きつけられ、訪れたいと思うので、みどり市の関係人口や定住人口が増えるキッカケになるような場所を作っていきたいです。雑貨以外にも、県内の独立系書店を中心に、1棚単位で売り場の貸し出しを行っています。近年、本屋さんの経営はとても難しく、お客さんの広がりが地域内に限られてしまうと、売り上げが上がらないので、自店舗やオンラインへの誘導が出来たらと思う部分と本好きの方にみどり市に来るきっかけになればと思っています。

 

 

 

Q:みどり市の良いところを教えてください。

A:アクセスが良いところです。みどり市は県内各地への車のアクセスも良いですし、隣の栃木県、埼玉県へもすぐに出られるので便利だと思います。子どもがまだ東京にいるので、東京へ戻るのにも便利ですね。移住前に理想としていた自然の中で満喫するような田舎生活はできていないですが、初めての地方への移住としては、生活を大きく変えることなく、身近に自然があるという環境の方がすぐに地域に馴染むという点で、とても良いと思います。

 

Q:今後の目標があれば教えてください。

A:みどり市と関わりたいと思う人を増やしたいです。この1年間は自分の活動が思うように進まなかった部分もあるので、残りの活動期間で、みどり市が魅力的な場所だと知ってもらえるような活動、発信をしていきたいです。自分が主役になる活動よりも、地域の人々が輝き、そこに惹かれて、みどり市にたくさんの人が訪れるようになることが目標なので、まずは、「ななし」を魅力的な場所にして、足を運んでくれる人を増やしていこうと思います。
退任後は、宿泊施設の提供を考えています。みどり市は宿泊施設が少ないので、空き家や以前使われていた施設を再利用して、泊まれる場所を作りたいです。

 

Q:これから隊員を目指そうと思っている人へアドバイスをお願いします。

A:協力隊の制度は、使い方によってはとても良い制度だと思います。特にみどり市は、委託型ではなく、市の職員という立場で活動ができるので、いきなり外から来た、どこの誰だかわからない人間として地域に入って行くよりも、受け入れてもらいやすいと感じます。地域のために何ができるのか・向いているのかを見極める時間的な猶予もあります。しかし、制度に頼ろうと思って来ると、時間はあっという間に過ぎていきます。3年間は長いようでとても短いので、ある程度やりたいことがあって来ないと苦労するし、定住も難しくなってしまうと個人的に思います。また、制度や活動地域について、よく調べて行くことをおすすめします。

 

(取材日:2024/12/5)