地域の人たちと一緒に藤岡市の魅力を発信していきたい。
Q:藤岡市の地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください。
A:地元である藤岡市で、小さいころから地域のイベントに参加する機会がたくさんありました。イベントに参加する中で、「藤岡市っていいところだな。いい人がたくさんいるな。」と感じ、地元のために働きたいと思うようになりました。大学時代に地域おこし協力隊の制度を知り、藤岡市にも協力隊の方がいると聞いて、現役で活動している協力隊の活動を見に行き、ますます興味を持ちました。その数年後、藤岡市で協力隊の募集を知り、UターンでもOKだと聞いて応募しました。
Q:実際の活動内容について教えてください。
A:令和3年4月に着任してからは、藤岡市の旧鬼石町地区に拠点を置いて活動しています。主な活動場所は「情報センターおにし」で、訪れてくれた人に観光案内や移住定住案内を行っています。自分の目で見て、聞いて、得たリアルな情報を提供できるように心がけています。
また、自分のインスタグラムやフェイスブックを使って、イベント情報、観光情報や地域の隠れスポットの紹介など、地元の人も行ったことがないようなところに足を運び情報発信に力を入れています。見てくれた人から「鬼石って面白いところだね。」という声を頂く機会が増えました。たくさんの人が遊びに来てくれ、リピーターの方まで出てくるなど、自分の活動にとてもやりがいを感じています。
ただ、SNSで不特定多数の人にPRすることも大切ですが、活動する中で、地元の人に自分たちの住むまちの良さを気づいてもらうことが一番重要だと気が付きました。移住者を受けいれる前に、地元の人たちが自分のまちに誇りを持っていないと、私のやっていることも意味をなさなくなってしまいます。地元の人にまちの魅力を改めて知ってもらい、地元の人と協力し合って、多くの人にまちの魅力と情報を発信していくのが理想です。
Q:任期終了後に向けての計画はありますか?
A:空き家を活用した複合施設型のカフェを開きたいと思っています。山梨に住んでいた大学時代、山梨県内の大学に通う学生たちが運営と経営をするカフェがあり、毎週イベントが行われていました。その時々で主役になる人が変わるカフェの空間が居心地良く、通いつめていました。私もそのカフェのように、自分だけではなく、様々な人が主役になれる場所を作りたいと思っています。そこで、地域内外の人たちとたくさん出逢い、交流できる場所にしたいです。
最近は食品衛生管理者の資格も取ったので、あとは拠点となる空き家を探して、見つかり次第リノベーションをして開業できるように準備していきたいです。
Q:現在の暮らしはいかがですか?
A:活動の拠点の旧鬼石町地区は今では藤岡市の一エリアですが、私は元々の藤岡市出身でした。地元と旧鬼石町地区の風土を比べると、隣の地域といえども違うことがいくつかあり、びっくりしました。
旧鬼石町地域では冬に薪ストーブを使っているお家がとても多いのです。燃料は間伐材を使い、山に囲まれた地域ならではの文化だと思いました。そして山間部では、お米などの作物が多く作ることができないため、専業農家さんが少ないということも意外でした。
また、大工仕事ができる人が多く、料理が上手な人も多くて、なんでも自分で作ってしまう人が多いことにも驚きました。都市部と比べると決して便利ではないですが、その分自分たちで出来ることはやってしまう人たちが集まる地域です。自然も豊かで山々が美しく、個性的で優しく頼もしい地域の皆さんのおかげで、毎日楽しく過ごせています。
Q:地域おこし協力隊を目指したいという人にメッセージをお願いします。
A:自分がどんな人間なのか、どんな活動をしていくのか、兎にも角にも地域の人にまず知ってもらうことが大切だと思います。実際自分が着任してみると、地域おこし協力隊についてあまり知られていないことが分かりました。そこで、藤岡市の広報誌に『地域おこし協力隊通信』を掲載してもらうなど、活動を知ってもらう努力をしています。
そして、地域の人に会ったときは必ずあいさつやお話しをするなど、コミュニケーションを取るようにしています。地域の良い部分、大変な部分を理解したうえで、常に地域の人の為になることを心がけ、地域の人から自分のことを応援してもらえるようにすることが大事だと私は思います。
(取材日:2021/12/13)