梅フレーバーの地ビールをつくり、起業するのが目標です。
Q:安中市の地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください。
A:きっかけは結婚なんです。東京で会社員として働いていましたが、安中市出身の主人と結婚してこちらに住むことになり、仕事をどうしようかと思っていました。 そんなとき、群馬県内のイベントなどで知り合った友人に、地域おこし協力隊を勧められ、応募しました。
Q:実際の活動内容について教えてください。
A:秋間梅林観光協会に所属するということでしたので、2月に活動を開始して最初は3月の梅林まつりのお手伝いからスタート。梅農家さんの農作業のお手伝いにも年間を通して携わりました。農作業はやったことがなかったので、教えてもらいながら手探りでしたね。 そのほか、梅まつり会場でのスタンプラリーなどの企画も担当しました。
Q:クラフトビールをつくる活動も始められたのですね。
A:もともと私の活動の最終目標は「人が集まって交流できる場所を作りたい」ということです。ただ、居酒屋などを新規に開業するだけでは難しいと気づいて。地ビールは好きで、自分でも飲みに行ったりしているうちに、自分で地ビールをつくってみようと目標が定まってきたんです。今は、秋間梅林のお手伝いもしながら、起業の準備の方にシフトしています。
Q:起業の準備は具体的にはどんなことをしていますか。
A:高崎市内の地ビール醸造所を見学させてもらったり、和歌山や都内の醸造所にも見学に行ったりしました。今度、徳島にも行く予定です。 和歌山の工場に見学に行った際、そこでクラフトビールを作っている人から、原料の麦とホップを譲っていただけることになりました。ビール用の麦にもいろんな種類があって、コーヒー味とか変わったものもあるんですよ。 タンクなどの設備も必要なので、中古の機器を探しているところです。資金もかなり必要なので、今後はクラウドファンディングなども活用してきたいと思っています。 酒造免許を取るために、事業計画書の作成などにも取り組んでいます。 場所は安中市内の磯部でやりたいと思って、いろいろな物件を回って探しているところです。磯部は観光地ですが、ただ温泉に泊まるだけじゃなくて、観光客が立ち寄れる場所を作りたいと思っているんです。
Q:どんな地ビールづくりを考えていますか。
A:安中らしさを出すために、梅フレーバーのビールをつくりたいと思っています。秋間梅林では梅酒をつくっていますが、何かもう少し変わったものができれば……。開花祭で販売したり、市内でも流通できたりするようになればという夢があります。任期終了までに、なんとか形にするのが目標ですね。 一気に大きく広げるのは難しいので、まずは最小限の設備で試して、うまくいけば徐々に広げていきたいです。 一人では限界があるので、ゆくゆくは主人も一緒にやってくれると言っています。軌道に乗ったら主人とクラフトビールのお店を開いて、地域のイベントを主催したりして、交流拠点をつくることができればと思っています。
Q:安中市で暮らしてみた感想は?
A:驚いたのは電車が1時間に1本くらいしかないこと。東京ではずっと電車移動だったので、こちらに来るタイミングで車の免許を取ったんですが、まだ運転は慣れないですね。隣の高崎市に行くのも一人では、まだちょっと不安です。 住まいは、空き家の一軒家を紹介していただいたのですが、55坪くらいあって二人で住むには広すぎるくらい。空気もきれいだし、家から間近に妙義山が見えて、すごく気持ちいいです。東京にいた頃はしょっちゅう出かけていましたが、こちらに来てから、家でのんびり過ごすことが多くなりました。
Q:これから地域おこし協力隊を目指そうと思っている人へ。
A:地域おこし協力隊になってよかったと思うことは、普通では関わらない人と交流できること。梅林関係の人とも関われたし、いろんな地域の隊員と会って話を聞いたりすることで、いい刺激をもらっています。 これから目指そうとする人には、明確な目標を持っていた方がいいと思いますね。やりたいことがしっかり決まっていると、それだけに集中できて時間が無駄にならず、充実した日々を送れると思います。
(取材日:2020/1/29)