隊員&OB・OGインタビュー

自分たちの手で一から育てた農産物を地域特産ブランドにしたい

前橋市 林利和さん 活動3年目 (2017年7月~)

Q:前橋市の地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください。

ビーツ

A:前職はドコモショップで店長をしていました。知人を通して地域おこし協力隊を知り、ふと思い立って応募しました。それまで群馬県に住んだことはなく、特に知り合いもいませんでしたので、直感をもとに前橋市に住むという「ご縁」をいただいたというのが実際のところです。今、3年目になりますが、こちらで知り合った仲間と事業をスタートさせたばかりです。

Q:具体的にはどのような事業ですか?

A:ボルシチ料理などによく使われるビーツを種から畑で育て、収穫、販売をしています。前橋市内の農産物直売所のほか、ネット販売もはじめました。お客様からの反応も良いので、これからどんどん販路を拡大していきたいと思っています。

育てている場所が前橋市芳賀地区になりますので、「芳賀ビーツ」というブランド名で売り出しています。ゆくゆくは地域特産のブランドとして定着させるのが目標です。

Q:ビーツづくりで大変なところを教えてください。

ビーツ

A:農業の経験が無いため、思うように育たない場合など原因を自分達で特定するのが難しいことです。ただ、地域の皆さんがとても親切にしてくれますので、わからないところはベテランの農家の方に相談して解決しています。実際、秋の種まきが一部遅れたことで、生育が芳しくなかったビーツもありました。そういうふうに経験を増やして、次に生かしていこうと試行錯誤している途中といったところでしょうか。幸い、一緒に事業をしている仲間は、実家が林檎畑を営んでいることもあり、とても頼りになります。

Q:その他、関心を持って取り組んでいることはありますか?

ビーツ

前橋市の赤城南麓は自然が豊かであるため、獣害対策も欠かせません。着任後、希望して地元の猟友会に入会させて頂きました。それをきっかけに「わな猟免許」も取得し、今ではイノシシやシカもさばけるようになりました。まだまだ経験は浅いですがチェーンソーも扱えるようになりました。こういった活動は今後も継続していきたいですね。今は、まだボランティアで参加させてもらっていますが、経験を積めば収入につながるかもしれませんので、自分が興味あると思った分野は根気よくやっていきたいと思っています。

Q:他の隊員との交流はどうですか?

着任してしばらくは、赤城山観光振興のための情報紙作成のための企画会議や取材に同行するなど、行動を共にすることもよくありました。2年目、3年目となって自分が何をやりたいかも見えてきて、地域おこし協力隊という枠組みを超え、人を通していろいろな「つながり」ができたことはとても自分にとって意義のあることだったと思っています。

Q:任期終了後について教えてください。

ビーツ

事業が軌道に乗り、安定して継続できるかにかかっている部分もありますが、このまま前橋市に定住したいと思っています。東京で生まれ、沖縄などの特色ある地域で暮らしたわたし自身の経験からしても、群馬県、特に赤城南麓を有する前橋市は非常に魅力ある街だなと思っています。街としての機能が整っているので買い物など生活で不自由しない上に、車で少し走れば日本百名山の赤城山という風光明媚な場所にも行ける。同じ前橋市域でも1000メートル以上の標高差があるので特産品も幅広いんですよ。そういうところはなかなかないと思うので自分が気に入った土地で、しっかりと地に足をつけ、これから頑張っていきたいですね。