隊員&OB・OGインタビュー

仲間や地域の人々と支え合いながら歩む、林業への道

みどり市 宮下 なおさん 活動1年目(2017年4月~)

Q:みどり市の地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください。

A:私は山に入って林業をやってみたいと思っていました。長野県軽井沢町に住んでいたのですが、たまたま群馬県内に遊びに来ていた時にぐんま林業学校で受講生を募集していることを知って参加しました。男性の場合は林業学校を終えるとそのまま森林組合などに就職することができるのですが、女性の場合はなかなか難しいのが現状です。里山作りのボランティアで林業をしながら、林業関係の会社に就職活動していました。そんな時に林業就業支援地域アドバイザーの方からみどり市で林業振興と木工振興に関する地域おこし協力隊を募集していると教えてもらいました。地域おこし協力隊であれば、女性でも山に入って林業ができるのではないかと思って応募しました。

Q:実際の活動内容について教えてください。

A:一般の方が木工体験できるわらべ工房と森林組合の地域材加工センターに勤務しています。
わらべ工房では、販売する木工の商品や体験用のキットを製作しています。多少ながら林業の経験はありましたが、木工の経験はほとんどなかったので、職員の方に作業のやり方を基礎から教えてもらっています。私と同じ時期に活動を始めた隊員と二人で手始めに「わらべ工房」という案内看板をそれぞれ制作しました。実際に案内看板として置いてありますが、二人で作ったので表と裏で出来上がりの感じがちょっと異なっています。
地域材加工センターでは、林業家が伐ってきた木材を土場に集め、板材に加工しています。私は機械加工のオペレーターや検品、フォークリフトなどを利用して木材の運搬をしています。小径木加工センターには元々大工をされていた方がいるので、加工技術を色々教えてもらっています。
週に半日程度市役所にも出勤しています。研修会や講習は事前に話しておけば受講させてもらえます。都内で開催された総務省の地域おこし協力隊の初任者研修にも参加してきました。
現在は木工関係を中心に取り組んでいるので、来年度以降は山に入って伐採を行う林業に携わりたいと考えています。

Q:みどり市に暮らしてみた感想を教えてください。

A:廃校になった小学校が現在福祉施設となっていて、以前は教室だったところを居住できるように改装してあります。着任当初は、他の隊員とこの小学校に住んでいました。サーカス学校も同じ学校内にあり、面白い環境です。
休日は専ら地元の方と一日中山に入って林業をしていますので、なかなかハードな日々を送っています。
今住んでいるところには買い物できるところはほとんどなく、大型スーパーまで車で30分くらいかけて行っています。車は必需品です。
今年は畑にサツマイモを植えてみたのですが、見事にイノシシと猿に食べられてしまいました。獣害対策をしっかりしないと畑は難しいようです。夜には道路にいきなり鹿が立っていたり、建物の屋根に猿が遊びにきたり、野生鳥獣増加の影響をまざまざと感じます。

Q:他の協力隊員との関係はどうですか。

A:私の他に2名の隊員がおりますが、それぞれの生活スタイルがあるので普段一緒に行動することはあまりないです。ただ、地元でお祭りやイベントがあると、皆で出掛けます。
今後、近隣の市町村の隊員とも何かできたらなと思っています。

Q:任期終了後について教えてください。

A:やはり自分で林業をやりたいなと思っています。立木を倒さないで伐採する特殊伐採にもチャレンジしてみたくて個人的に講習を受けています。ただ、林業だけでは生活できないとも考えているので、畑などもできたらいいなと思っています。
自分で林業をやるのが難しければ、林業関係の会社に就職するのも一つの方法です。森林組合で働いていると、林業関係の様々な方と出会うことができます。本気かどうかはわかりませんが、将来はうちで働かないかと誘ってくれることもあります。体力が続く限り自然と付き合っていけたらいいなと思っています。