隊員&OB・OGインタビュー

前職の経験とスキルを活かした地域サポートと、地域の人々と支え合いながら探す「自分の道」

前橋市 伊藤 武さん 活動1年目(2017年7月~)

Q:前橋市の地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください。

A:私の妻が前橋市生まれということもあり、以前より前橋市に移住を考えておりました。
移住前は主に都内などで飲食業界の仕事をしておりました。時間があれば、「ぐんま暮らし支援センター」や「ぐんまちゃん家」などに通い群馬県内の募集情報を収集していました。移住後の仕事を探す中で地域おこし協力隊のことを知りました。

他の市町村ではいわゆるミッション型の募集が多かったのですが、前橋市では特定の任務を定めず、自分の経験やスキルを活かして活動するスタイルで募集しており、今までの飲食業界で学んだ経験・スキルを活かした「食」に関する地域貢献活動をしてみたいと思っていたことが、前橋市に応募する決め手となりました。

Q:実際の活動内容について教えてください。



伊藤さんが参加する赤城山情報誌「AKAGIFT」

A:私は前橋市の地域おこし協力隊1期生になるのですが、前橋市では地域おこし協力隊を導入するにあたり、5名を採用しました。特定の活動ミッションは事前に与えられておらず、自分たちの経験・スキルを活かして地域の方々と一緒に課題を解決していくスタンスです。

他の隊員も様々な経験とスキルを持っており、地域の課題に合わせた様々な活動をおこなっています。「狩人」「農業家」「羊飼い」などがおり、地域おこし協力隊経験者も2名います。

活動開始当初は地域づくり協議会などのイベントスタッフに積極的に参加して、少しずつ地域の方々に憶えて頂くところから始まりました。そうすると、段々と地域の方々から声を掛けて頂くことが多くなり、活動の幅が広がっていきました。私は調理の経験があり、得意ということもあり、夏場には地域のお祭りで焼きそばや焼きまんじゅう作りなど色々な所でご協力することが出来ました。また、赤城山情報誌「AKAGIFT」の取材などにも、参加させて頂いております。「AKAGIFT」には私たち地域おこし協力隊も編集委員として似顔絵を掲載して頂いています。

前橋市には自分達を支援して頂いている地域おこし協力隊サポーターの方がいます。月に2回程度ミーティングをし、活動する上で悩んでいることや普段の生活で困っていることを相談しています。そのサポーターの方には幅広く知り合いがいらして、地域との橋渡し役になってくれたりと心強く、安心して活動に専念できます。

なかなか既定の活動時間内には収まりませんが、地域の方に必要とされていると実感が出来、地域の方々の為引き続き頑張りたいと思っています。

Q:前橋市に暮らしてみた感想を教えてください。

A:現在は活動拠点近くのアパートに住んでいます。当初は前橋市内に住む義理の母親の近くに住みたいと思っていましたが、私はまだ自家用車を持っておらず、通勤の便利さを考慮し、今のアパートに決めました。前橋市で生活していくためには自家用車が必要であることを痛感しています。

自家用車を購入するとなると、地域おこし協力隊の報償費だけでは生活が厳しいなと感じています。空いた時間は自由に副業ができることになっているので、今はたまに農家の手伝いをする程度ですが、今後はもっと積極的に取り組んでいきたいです。

活動開始時に前橋市の広報誌「広報まえばし」に掲載してもらったおかげで近所の人に声を掛けてもらうことはあります。手伝いをした農家の方から野菜を貰ったり、近所の方にお茶に誘って頂くこともあります。前橋の方々は皆やさしく良い人ばかりで、色々助けて頂いています。

Q:他の協力隊員との関係はどうですか。

他の隊員とは机を並べているので色々相談しながら、隊員同士で協力して活動しています。私が担当している料理教室に人手が足りない時は、他の隊員に手伝いをお願いしています。反対に他の隊員が担当している作業を手伝わせて頂いています。桐生市の地域おこし協力隊員とは「AKAGIFT」で一緒に編集委員として活動をしています。

Q:任期終了後について教えてください。

A:まだ活動を始めたばかりなので、任期終了後のことは色々考えているところです。飲食業の経験を活かして前橋市内に自分のお店を持つというのは一つの目標なのですが、地域おこし協力隊任期終了後も、地域の方々と前橋市を盛り上げていくような仕事をしたいと考えています。

地元の企業や料理人の方々と、前橋市の特産品開発などをしてみても面白いなと感じています。それを都内の知り合いの飲食店や企業に紹介することが出来たらと考えています。

また、新しく前橋市で開業予定の「道の駅」で開発した商品を販売することも目標です。

半年活動しただけですが、やってみたいことが少しずつ見えてきているので、焦らず地域の方々の協力を得ながら「自分の道」を探していく予定です。