経験がつなぐ、渋川での挑戦。渋川の魅力を世界へ。

Q:地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください。

A:私は台湾・高雄市出身です。以前、日本には交換留学生として1年間滞在した経験がありました。台湾に戻った後は、台湾山葉音楽というヤマハのグループ会社に就職し、ディーラー向けに楽器の販売を担当していました。
その仕事の中で、2回ほど日本への旅行を企画する機会がありました。当時の上司は個人旅行が好きな方で、私はヤマハ銀座本店や掛川ピアノ工場などを訪問するプランを作成し、ディーラーの皆さんをご案内しました。その際に「ガイドの才能があるかもしれない」と言われたことが、旅行業を意識し始めたきっかけです。
その後、働きながら台湾の旅行ガイドの国家資格を取得しました。ハイヤー会社に採用され、日本で働くビザも下りましたが、コロナの影響で来日が2年延期に。2022年になってようやく入国が可能となり、来日後はハイヤー会社の運転手として働き始めました。お客様の9割が欧米の方で、観光やビジネスの送迎を行いながら、ときには観光案内もしていました。そんなとき、Facebookに渋川市が地域おこし協力隊を募集しているという情報が流れてきました。これまでの経験が活かせると思い、その場で応募しました。当時、東京の人ごみや満員電車の生活に少し疲れていたことも、応募を後押ししたと思います。
Q:活動内容について教えてください。
A:インバウンド観光の振興が私のミッションです。市民向け・観光向けのイベントの取材を行い、英語・中国語・日本語でSNS発信をすることを中心に活動しています。
また、観光に関する知識を深めるため、二つのバス会社でインターンとしてツアーに同行させていただくなど、お世話になっています。新しいツアーが3か月ごとに発表されるので、チラシの校正やツアー内容のチェック、予約の電話対応なども手伝っています。
海外からのお客様に案内の依頼を受けることもあり、伊香保温泉の石段街や「イニシャルD」の舞台などをご案内しました。「イニシャルD」の大ファンだという海外のお客様からは「夢がかなった」と大変喜んでいただき、とてもうれしかったです。
Q:渋川市での暮らしはどうですか?
A:とても暮らしやすいです。東京に住んでいた頃より便利だと感じています。今の家から徒歩6分ほどのところにお気に入りのスーパーがあり、東京では電車と徒歩で片道40分かかっていたことを思うと、とても助かっています。
最初の頃は移動に自転車を使っていましたが、車を購入してからは行動範囲も広がりました。その一方で、運動不足になっているかもしれません。
伊香保の魅力は、何より四季の移ろいの美しさです。季節ごとに、晴れの日はもちろん、霧や雪、雨の日でも違った表情を見せてくれ、四季の移り変わりを肌で感じられる場所だと思います。
渋川では知り合いゼロでのスタートでしたが、協力隊の活動や市内のサークル活動を通して、人とのつながりが増えました。新たな趣味として渋川市のアコーディオンサークルに加入し、週に1度練習しています。
Q:これからの目標を教えてください。

A:SNSで情報発信をしていますが、より反応してもらえる投稿をしていきたいと思っています。私の密かな楽しみの一つが、閉店間際のスーパーでお弁当やお惣菜の割引シールを見ることです。7割引や5割引のシールを見るとワクワクしてしまいます。以前、個人のアカウントで7割引の情報を投稿したところ、たくさんの「いいね」をもらいました。SNSに投稿するからには、やはり反応がほしい。これからは投稿内容をもっと工夫していきたいと思っています。
また、任期中にYouTubeチャンネルの開設や、中国で流行しているSNS「RED」にも挑戦したいと考えています。任期終了後は旅行関連の仕事に就くことを目指しており、そのために国内旅行業務取扱管理者および総合旅行業務取扱管理者の国家資格取得に向けて勉強しています。これからも群馬を拠点に、観光や国際交流に関わり続けていきたいと思います。
Q:これから隊員を目指そうと思っている人に向けて、アドバイスをお願いします。
A:もし協力隊に興味があるなら、早めに挑戦してみることをおすすめします。私は35歳で日本に来て、38歳で協力隊になりました。自分では少し遠回りしたかなと感じているので、若いうちにいろいろな経験を積んでおくと良いと思います。
(取材日:2025/11/14)